パーソナルトレーナー養成講座のカリキュラムについて(理論)
2フェーズ目では理論を中心に習得します。1フェーズ目で習得する実践により、まず自ら体を動かして習得します。自らが出来る暗黙知の状態を作ります。但しこれだけではトレーニングが趣味の領域といえます。指導にも説得力が欠けます。その後に理論を学ぶことで形式知の状態となり、実践で体を使って習得した内容が腹落ちするのです。
逆に理論だけを学び実践のない頭でっかちでも説得力に欠けます。
トレーニングに限らず理論か実践か、多くの人は大体どちらかに寄っています。自分はどちらに寄っているのか、意識的にバランスをとりましょう。
カリキュラム
1時間目
筋系、神経系、骨格系の構造と機能
・骨格筋の構造と機能
・筋活動のフィラメント滑走説の各期の過程
・筋繊維タイプの概念、およびエクササイズパフォーマンスとの関連
・骨格筋の制御にかかわる神経系の構造と機能
・エクササイズの骨の健康に果たす役割
・身体活動における県と靭帯の機能
2時間目
心肺系とガス交換
・心臓血管系の解剖生理学的特性
・心臓の電気伝導系と基本的な心電図の解説
・体内の血液循環を調節するメカニズム
・呼吸器系の解剖生理学的特性
・肺と血液のガス交換
・呼吸を調節するメカニズム
3時間目
生体エネルギー機構
・運動やトレーニングに関する生体エネルギー機構と代謝の専門用語
・筋活動におけるATP(アデノシン三リン酸)の主な役割
・生体内の基本的なエネルギー機構と様々な活動に対するそれぞれの供給系の働き
・トレーニングが骨格筋の生体エネルギー機構に及ぼす効果
・それぞれのエネルギー機構に用いられる基質の理解と、様々なタイプの身体活動における基質の利用様式
・ヒトの生体エネルギー機構と代謝、特にトレーニングの代謝特性の理解に基づいたトレーニングプログラムの作成
4時間目
バイオメカニクス
・解剖学と力学の適切な用語を用いた身体動作
・身体動作に関する問題に力学的概念を適用
・筋力とパワーに関与する諸要素
・様々な運動課題に関与する筋活動の特定
・レジスタンスエクササイズのバイオメカニクス的側面の分析
5時間目
レジスタンストレーニングへの適応
・レジスタンストレーニングへの短期的・長期的適応
・レジスタンストレーニングへの適応の程度と速度に影響を及ぼす要因
・目的とする特定の適応を最大限に引き出すレジスタンストレーニングプログラムの作成
・オーバートレーニングを伴わないレジスタンストレーニングプログラムの作成
・ディトレーニングの影響とそれを抑制する方法
6時間目
有酸素性持久力トレーニングへの生理学的な応答と適応
・有酸素性運動への短期的な生理学的応答
・有酸素性持久力トレーニングへの長期的適応
・有酸素性持久力トレーニングへの適応に影響を及ぼす要因の理解
・オーバートレーニングとそれに関連する生理学的要因の理解
・ディトレーニングの生理学的結果についての認識
7時間目
パーソナルトレーニングにおける栄養①
・パーソナルトレーナーの職務の範囲を明確に知り、どのような場合にクライアントを栄養の専門家に紹介するべきかの判断
・クライアントの食事を評価し、エネルギー消費量と必要量の推定
・クライアントの運動に起因する栄養素と水分の必要量の変化を理解できる
・体重増加と減量のための指針をクライアントに助言できる
・サプリメント(栄養補助食品)の役割と適切な利用法の認識
8時間目
パーソナルトレーナーのための運動心理学
・エクササイズにおける心理学的な効果の理解
・クライアントと話し合い、効果的なエクササイズの目標を設定
・動機づけの重要性の認識
・クライアントへの動機付け
9時間目
クライアントの面談と健康評価①
・骨格筋の構造と機能の説明
・互いの適合性を評価し、目標を設定して、クライアントとパーソナルトレーナーが合意するために、クライアントとの紹介面談の実施
・エクササイズプログラムに参加する前の健康評価スクリーニングの具体的な手順の理解
・心臓血管系疾患に関連した冠状動脈の危険因子の特定
・クライアントとなる人の健康状態の評価と階層化
・健康管理の専門職への照会を必要とする個人の識別
10時間目
体力評価の選択と管理①
・クライアントへの体力評価の目的の説明
・テストの妥当性と信頼性の判断
・あるテストがクライアントに適用可能か危険性の階層評価
・各クライアントについて適切なテストの選択
11時間目
体力テスト法と評価基準①
・各種の体力テスト法の理解
・各種の体力テストの正しい運用
・個々のクライアントに適したテストを選択し、妥当性と信頼性をもってクライアントの体力レベルの把握
・基準値とクライアントの結果の比較
12時間目
柔軟性、自重、スタビリティーボール・エクササイズ①
・柔軟性トレーニングプログラムに参加することの利点
・柔軟性に影響を及ぼす要因の理解
・柔軟性トレーニング参加前のウォームアップの有用性
・柔軟性トレーニングの様々な種類のリストアップ
・柔軟性トレーニングプログラムについて、動的ストレッチングと静的ストレッチングの組み合わせを強調して管理
・自重のみを用いたエクササイズとスタビリティボールを用いたエクササイズの監督・管理
13時間目
前半のまとめ、復習
14時間目
レジスタンストレーニングのエクササイズテクニック①
・レジスタンスエクササイズの基本テクニックの理解と、適切なフォームの指導
・補助が必要な状況や適切な補助テクニックについての解説
・適切なトレーニング用具やウェアの決定
・エクササイズテクニックにおいて起こりやすい誤りの認識
15時間目
心臓血管系のトレーニング方法①
・心臓血管系活動に関するガイドライン(水分補給、服装、シューズ、ウォームアップとクールダウンなど)の提供
・トレッドミル、ロウイングマシーン、ステアクライマー、エリプティカルトレーナー、ステーショナリーバイクなどを用いたエクササイズに関しての適切なテクニックの助言
・グループエクササイズに安全に参加する方法の指導
・個人の嗜好や身体能力に応じた心臓血管計活動の紹介
16時間目
レジスタンストレーニングのプログラムデザイン①
・特異性、過負荷、バリエーション、漸進性、および順序の適用についての理解
・エクササイズを選択し、トレーニング頻度を決定、エクササイズの適切な順序での配列
・1回挙上できる最大重量(1RM)、体重比、RMテストなどを適切に用いて負荷の決定
・クライアントのニーズと適切な連続トレーニング法に基づいて、トレーニングの負荷、量、休憩時間の設定
・セッション、曜日、週の間でトレーニングのバリエーションの決定
・トレーニング負荷を増加または変化させるタイミングの決定
17時間目
有酸素性持久力トレーニングのプログラムデザイン①
・特異性の原理と個々のクライアントの目標に基づいた有酸素性持久力トレーニングのプログラムデザイン
・適切な有酸素性エクササイズの選択
・有酸素性持久力トレーニングの頻度、持続時間、強度を決定し、それらの相互作用及びトレーニング結果に及ぼす影響の理解
・算出された目標心拍数、主観的運動強度、または代謝当量を用いてエクササイズの強度の決定
・適切、ウォームアップ、クールダウン、そしてエクササイズの漸進を含むプログラムの作成
・ロングスローディスタンス(LSD)、ベース/テンポ、インターバルトレーニング、クロストレーニング、アームエクササイズ、コンビネーショントレーニングをクライアントの目標に合わせて設定
18時間目
プライオメトリックトレーニングとスピードトレーニング①
・プライオメトリックスやスピードを高めるエクササイズに関する力学と生理学
・伸張ー短縮サイクルの各局面の理解
・プライオメトリックトレーニングとスピードトレーニングの違いの理解
・プライオメトリックトレーニングに用いる適切な用具の推薦
・プライオメトリックトレーニングとスピードトレーニングの安全で効果的なプログラムの作成
・プライオメトリックトレーニングとスピードトレーニングの正確なテクニックの指導と一般的な誤りの認識
19時間目
前青年期の子ども、高齢者、妊婦のクライアント①
・各年齢特有のニーズ、および考慮するべき事柄を理解した上で、前青年期の子どもの為の適切な身体活動プログラムを発達段階別に述べる
・高齢者の健康に対するエクササイズの有益性について説明でき、高齢者のためのエクササイズのガイドラインを簡潔に述べる
・妊婦に対して勧められるエクササイズとその注意点についての説明
20時間目
栄養と代謝に問題を抱えるクライアント①
・栄養と代謝に問題のある人を指導する際の、パーソナルトレーナーの仕事の範囲を知る
・肥満、体重過多、高脂血症、摂食障害、糖尿病を患っている人の為の適切なエクササイズの設定とプログラムデザインについての説明
・栄養と代謝に問題のある人の一般的な栄養のガイドラインについての説明
・栄養と代謝に問題のある人の健康状態を改善する生活習慣の変容法(食事、運動、行動変容)についての説明
21時間目
心臓血管系疾患および呼吸器系疾患を有するクライアント
・高血圧、心筋梗塞、脳血管障害、末梢血管疾患、喘息、および運動誘発性喘息における病態生理学と危険因子についての理解
・これらの疾患の各ステージについて、またそれらを有するクライアントのQOLを向上させるためのエクササイズの利用方法について理解
・クライアントを医療専門職に委ねる適切なタイミングについて知る
22時間目
整形外科的疾患や傷害を有するクライアントとリハビリテーション
・一般的な障害と整形外科的疾患の認識
・傷害が身体機能に及ぼす影響の理解
・組織回復の各過程における目標の説明
・特定の整形外科的疾患や傷害、リハビリテーションの問題に対するパーソナルトレーナーの役割の説明
23時間目
アスリートを対象にしたレジスタンストレーニング
・スポーツのためにトレーニングを行なっているクライアントのレジスタンストレーニングプログラムに、過負荷および特異性を適用する方法の理解
24時間目
施設と機器の配置およびメンテナンス
・フィットネス施設の設計と計画の過程、施設の使用に関するガイドライン、エクササイズ機器の選定過程、施設に必要なスペースの取り方についての理解
・ホームジムにおける機器の配置について特に配慮すべき点の理解
・施設と機器の適切なメンテナンスと清掃のガイドラインについて確認できる
25時間目
パーソナルトレーニングの法的側面
・パーソナルトレーニングのサービスの提供に適用される法律と法制度の基本的側面、特に不法行為法についての正しい認識と理解
・過失の定義およびパーソナルパーソナルトレーナーに対する過失訴訟において、負傷したクライアントが証明しなければならない4つの要素についての説明
・パーソナルトレーナーの専門職としての責任および法的責任の明確な認識
・パーソナルトレーニングにおける賠償責任と訴訟の可能性を出来る限り低減するためのリスクマネジメント対策の導入
26時間目
後半のまとめ、復習
27時間目
理解度チェック
1フェーズ目と2フェーズ目が終わった段階で、理論と実践がバランスよく融合され、自らができる、人にも説得力を持って指導ができる状態になります。部活動などの先生を目指すのであれば2フェーズ目までで終わっても良いかもしれません。
但し、クライアントから対価を頂く為には説得力のある指導ができるだけでは不十分です。つまりクライアントに正しいことをやらせるだけでは不十分で、顧客の目的や要望を傾聴し、一流のサービスに昇華させる必要があります。
一流のサービスは座って学べるではありません。3フェーズ目では、これまで数百人のクライアントにサービスを届けた講師が指導します。
NLP、心理学、ロールプレイ、模擬接客などを取り入れ、顧客から高い評価を受けるパーソナルトレーニングサービスについて習得します。